月美の卑屈を生きる詩

感情のおもむくままに

Changing game

好奇心は命取りだ


最初はただのホスト崩れだった
知らない男に「魂を殺された」抜け殻の私が
誰も信じられなくて 野良犬を拾うように 飼ったつもりのろくでなし


私のマンションで三日ぶりにシャワーを浴びて
車中生活を送っていた男を部屋に住まわせ
下手くそなカレーと下手くそなアイロンがけ
芝居だとわかっていても 陳腐な褒め殺しと優越感が楽しくて


せいせいしたのはきっと、「殺された魂」が憂さを晴らしていたのだろう
そして思いは相手に伝わる


男の餌食になるのはあっという間で 傷つかなかったのは軽蔑してたせい
けれど死んだはずの魂を呼び戻し傷つけたことがある


数人いた男のかつて同棲していた女が残していった置き土産
フリーマーケットで買ったという揃いの湯呑み
互いに署名捺印した未届の婚姻届け
愛が存在していたのをみせつける 別れを告げ 破られた手紙


陽に褪せうっすらと汚れた それらの入った白い木綿の鞄
鞄とともに男は消えた
私からあっという間に物質的なものを奪っておいて


魂の死骸を踏みつけられたのは
搾取のせいでなく 鞄を持って消えたせい
愛なるものを都市伝説だと笑おうとした私の口を封じ
死んだらしい魂の死体さえ無残に原型をとどめず


死体は20年経っても行方不明だ
魂の遺骨を海に捨て 天に返すこともなく
きっと私の死体だから 地獄で私を待っている
あの男と その女が 一緒に 私を見据え馬鹿にした眼差しで