月美の卑屈を生きる詩

感情のおもむくままに

井戸の底から(私の魂より)

暗い
冷たい水が口の中まで入ってきて
沈むまいと手足をばたつかせる
ふいに頭上高く
陽の光で明かるく切り取られたような円の縁で
女の顔がこっちを覗き込んでいる
じっと複雑、悲し気な顔をして
助けて、と水を吐きながら叫んでも答えない
去っていく
あの円から……昔私をあそこから投げ入れた女が
お前は邪魔だと
魂を抜かれても生きていけると
生きていくのに魂を殺さねばならないと
私を殺した私
円が小さくなってゴトンと音がし辺りは完全な暗闇
寒い ここは体が痛くてちぎれそうに冷たい
あがき続ける 私は生きてるの
誰か