月美の卑屈を生きる詩

感情のおもむくままに

観念

ひとしきり胸の内を吐き出して
冷静になって自分の顔を鏡で見る


整形してつくった二重の幅が
いつのまにか加齢で狭くなっている
笑えば目尻に下瞼に眉間におでこに
無数の皺が刻まれる
大きく笑えば頬を長い皺が縦に走り
無表情になれば頬の肉がぶらさがって


葛藤と孤独と惨めさにまみれて
女と呼べる時期をどぶに捨ててしまった
もともと整形しても並より少し奇麗という
苦しいお世辞をもらう程度の代物だったが
燃える火にバケツの水をかけるように
メスをちょっとずつ入れ続け
手に入れた醜くはない容姿


私もかつては奇麗だったと
自己陶酔気味にいう状態になっていたのだ
老眼鏡をかけて鏡をじっと見据える
観念した犯人のように
ああ 私も誰かに愛されたかった