月美の卑屈を生きる詩

感情のおもむくままに

詩を探して

自分のなかに何かないかと
胸のなかに手を突っ込む
へどろであれ 砂金であれ 灰かダイアモンドであれ
書くに値する 何かを探して


自分の経験のなかに何かないかと
頭のなかを手でかき回す
未熟さであれ 成熟であれ 夢か陳腐か退廃であれ
詩になりうる 何かを探して


何もない何もない何もない……
そこにあるのは ただ 混沌 虚無 言葉にする価値のないもの
そんなはずはないだろうと
こんなに長く生きた私の人生からこぼれ落ちる何かがあるだろうと
考えよう 考えすぎるな 感じよう 思い出そうとするけれど
風情のないがらくたの街並みのような私の過去に
ただ呆然とする 生も半ばを過ぎて


こんな生き方しかできなかったのか?
感受性を殺さねば耐えることができなかった
起こっていく出来事を惨めと捉えることしかできなかった感受性


一瞬のキラリを見いだす 生の喜びを瞬間に感じる
生きていて良かったと 
負の側面を打ち消すだけの感受性を得る術を探していた私を取り戻すことができるのか?
もはや傷つかないことだけを望んでいる私に
それでも 生きている証に 自己満足でない「詩」を刻みつけたいならば