月美の卑屈を生きる詩

感情のおもむくままに

愚かな灰かぶり

灰かぶり姫は猫をかぶって
好機をうかがっていました
見初められる夢を見ていた
誰かにただそれだけでした


ヒソヒソと囁き指さされる
体の痣をメスで切り取って
目が細いと笑われるならば
二重のラインをメスで刻み
大きな鷲鼻をけなされれば
ノミで段を削り小鼻縮小し
ガスレーザーで黒子を焼き


やれることはやったつもり
愚かで浅はかな灰かぶり姫
誰かでいいから寄ってきた
狼に食べられてしまいます


いつか誰かと幸せになれる
愚かで浅はかな灰かぶり姫
全然綺麗じゃなかったのに
抉って切り取って焼ききる
自分の醜さをそんなことで
どだい無理ですどだい無理
醜さのなかに美しさを見る
生きる知恵ですシンデレラ