月美の卑屈を生きる詩

感情のおもむくままに

逃げたら追う、それは感情

私から逃げ出したかった
どこまで歩いても走っても
思いつくすべてを試みても
私は私の中に閉じ込められ
その向こうにいつだって
恐怖と不安と絶望を見てた


ある夏の朝、ふいになされた
私に対する理不尽な蹂躙
事後いつも心は焦って
早く早く早く逃げて逃げて
どこか安全な場所へここから
あなたから


どうして「私から」なの?
ーだってあなたは「生贄」だもの
不美人で頭が鈍くて鈍臭くて……


若さを完全になくして思うのは
自信のないまま不安なまま
誰でも人は生きる
それでも逃げてはいけないのは
きっと
逃げる際に捨ててきた様々な感情が
眠りから目をさまし巨大化して
私を乗っ取るからなのだ


感情は復讐する
私の体を借りて

愛情乞食

誰かに汚された私が
ふらついた足取りで
貴方に辿りつこうとしている


誰をも愛してない私が
怯え震え怖がりながら
貴方の腕を離すまいとしている


お願いどうか 私を愛して下さい

自己欺瞞

うねる髪は伸ばさないことでごまかしてきた
細い目は二重にしたら黒目がちで錯覚できた
鷲鼻は段の骨を削ると土台よく綺麗になれた
歳なのは独りでさえいれば自覚せずいられる


なんでもしよう
愛せない自分と
向き合わない為