月美の卑屈を生きる詩

感情のおもむくままに

フロント越しの空

いつ死んでも同じ
死ねばすべて終わる
その時は一緒に死のう


女たちから吸い上げて手に入れたベンツの運転席で
なんでもないことのように呟いたあなたの前に
フロントガラス越しの空が
何処までも青く輝いていた


あの夏をあなたは覚えている?
死にたい気持ちとうらはらに
途切れることなく 生きるために
欲望のために動いていた私達
ひきずる過去よりはるかに長い未来に向かって
突き進んでいた私達


生きて いますか?
まだ前を向いて
ガラス越しの夏の陽光の眩さに目を細めて