月美の卑屈を生きる詩

感情のおもむくままに

舟出

夕陽に向かって
人生の岸辺を 小舟で出発しようとしている
漕ぎ方もわからずに
離れていく地に未練を残したまま


波はとても穏やかだ
けれど小舟をあちら側へと運んでいく
少しずつ 確実に
振り返る私を乗せたまま


色々あったと笑いながら水面を眺めるにはまだ若く
他の生き方もあったはずだと呪ってもいる人生を
十年、二十年、三十年かけて
諦観と平穏の大地に連れて行ってくれるのだろうか


波よ ゆるやかに