月美の卑屈を生きる詩

感情のおもむくままに

救いなく笑い声が聞こえる

過去があまりに惨めだから
体のいい物語にして嘘をでっちあげる


主人公が美女ならば
屑にだまされた醜い愚か者は
罪な男に翻弄された悲劇のヒロインに
そのためならば
顔でも体でも切り刻んで


私の顔に残った縫い傷は
過去を捏造しようとして失敗した証
何もなかったように奇麗な顔で
澄まして生き直そうとした私の
逃げようとして転倒した傷跡


違う人になろうだなんて
どうして不可能な夢を見たのだろう
どこまでも逃げて逃げて逃げ切れるなんて
自分自身からは逃げられないのに


奇麗は奇麗 醜いは醜い