月美の卑屈を生きる詩

感情のおもむくままに

美しい友人

麗しい友よ
あなたの髪は栗色で柔らかでうねることなくまっすぐだ
あなたの肌はしみひとつなく透き通っていた
よどみなく美しい日本語を操り 品のある佇まいをして
私はどれだけあなたを崇拝していただろう


あなたにへつらう私に、あなたはメールをよこした
「初めて見た時、ソフトで女らしい顔だと思ったよ
    私も欠点ならいくらでもあるよ 鈍くさいし体弱いし
   もっと自分の顔に優しくしてあげて 神経を太く持って生きよ!」


メールであなたは
完璧な人間扱いしないで へりくだられても辛いと訴え
私の崇拝に調子に乗らない姿にむしろあなたそのものになってしまいたいと願った


整形を重ねて普通になり
あなたの顔に尖った部分がないこと
際立って美しいパーツがないこと
骨格もバランスも特に際立っているわけではないこと
夢から醒めたように私は内心意地悪になっていきます
粗を探すのは歳をとった証拠でしょうか
整形を重ねるうちに美醜に敏感になったからでしょうか


あなたは私を傷つけもする
複雑な思いが交差する
あなたに焦がれあなたに嫉妬する
麗しく映る品のある佇まい 口の動かし方の綺麗さ
実際の美以上のすべてに


あなたに会いたい会いたくない
美しいものは芸術作品に似て人の感情を傷つけもするものだから