月美の卑屈を生きる詩

感情のおもむくままに

謝罪

濁った頭で来年の抱負を誓う
「詩」を書く 日記や思いの垂れ流しではなく
「詩」が何かわかっていない
「ユリイカ」や「詩と思想」や「現代詩手帖」を買い
図書館で有名詩人の詩集を借りる
藁でもつかむように半ば溺れながらそれらを掴もうとしている
わかるようになるには 何かを掴むには 来年だけでは足りない


「石の上にも十年」と小説教室の校長は言った
なにかを極めようとすれば十年でも足りない
性的蹂躙から十年自分を見失いそれどころではなく
その後十年は疲れ切って眠っていた
そしてこれから十年切磋琢磨してもすぐに初老になる


それは私の弱さ
好きならば束の間現実を忘れて詩の世界に没頭できたはず
文字も目に入らなかったのは
現実ほどに言葉が大事でなかった証拠でしょう


現在でもさほど言葉を信用していないのです
私を救ったのは言葉ではなく
腕枕のうえで悪い夢にうなされる私を揺さぶる手だったから
愛してくれなくてもそばにいてくれる人の気配だったから
それらを失いはじめて言葉にすがりつく
言葉はその程度 がらんどうの私にはもはや響かない


そんな私の言葉に反応してくれる人がいるのはありがたいこと
実態は私の言葉は私の抜け殻、排泄物に過ぎないのだけれど
読んでくれる人がいる限り
絞り出すように痛みを感じながら誠実な文字を紡がなければならない


それが詩の礼儀 読まれる言葉の作法