月美の卑屈を生きる詩

感情のおもむくままに

瞼の向こう

瞼を眼球の間に、薄いアルミ板が奥までゆっくりと差し込まれていく
声も出ない痛みに、医師や看護婦の姿もかすむ
額には汗がびっしょりだ
眼球に麻酔の針が刺される
ようやくして感覚をなくした瞼に手術が施される
この重い瞼が二重になってすっきりするなんて
そんなことがこの後待ち受けているんだろうか?
私のこのぼこっと出た広い瞼にくっきり二重の線が刻まれて
誰かに可愛いと思われるなんてことが?
緊張感と期待と不安を心が行ったり来たりする
愛されたくてたまらないおのが心が
天井を 空を さまよっている