月美の卑屈を生きる詩

感情のおもむくままに

オレンジと甘エビ

旅先の地の
すでに冬のごとく冷たく澄んだ空にかかる
クレーン車のオレンジが鮮やかに
この目に映る
昼食の甘エビは甘く舌を驚かせた


長いあいだ 街も人も映る景色は砂画面
SSサイズの体で食べるものは味のしないガムのよう


帰ってきた私の感受性
おかえりなさい

「自分で自分のことも出来んやろ」
そう言ってあなたは去り際に
私の心に刺さって取れない
小さな棘を残していきました


愛のかわりに信頼が残っていたので
あなたのその捨て台詞で
私の心に永遠に鍵がかけられたのです

my lot soul

「絵は魂だ」と映画の台詞
詩も多分同じ
魂が入っていなければ
ただの言葉の羅列


私の魂はおそらく空っぽだ
何処にあるかもわからない
医者は脳の視床下部にあるという
作家はお腹のあたりにあるという
魂の在処も知らないのに
空虚な魂の存在を漠然と感じる


それでも書き続けよう
いつか言葉は歌に変わるだろう
たとえ今は空っぽでも
伝える人がいなくても


生まれつき未完成のままの
私の欠けた子宮から
命を育めるのだから
きっと魂からも生み出せる
欠けたなりに伝わる言葉